暫定龍吟録

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「ムペンバ効果」で知ったFC2ブログのタグの強さ

 「ムペンバ効果」がすごい。

 何のことかと言ふと、先月7月9日にNHKテレビの「ためしてガッテン」といふ番組で「ムペンバ効果」といふものが紹介されてゐて、それに興味を持つた私はそのことについて、このブログに『「ムペンバ効果」とネットへの過信』として少し書いた。
 さうしたら、この約1カ月のあひだに、たくさんの人が「ムペンバ効果」で検索してこのブログを見に来てくれた。

 ムペンバ効果とは、簡単に言ふと、特定の状況下で、水よりもお湯の方が早く凍る、といふ現象のことである。

 この不思議なムペンバ効果は、7月9日にNHKで放送された直後も反響を呼んだが、その後、早稲田大学の物理学者大槻義彦氏がそのやうな現象はありえない、と批判したことで話題となり、さらにそれをJ-CASTニュースが取り上げてまた話題となり、さらにそれがヤフートピックスに取り上げられて話題となり、といつた感じで、かなり長い期間、人々の耳目を集めるところとなつた。

 さうしてムペンバ効果を知り、興味を持つた人がネットで検索をし、多くの人がこのブログに辿り着いたわけだが、このブログには肝腎のムペンバ効果について、何一つ科学的に詳しいことを書いてゐなかつたことを少し申し訳なく思ふ。

 それにしても、どうして「ムペンバ効果」で検索した人がこんなにたくさんこのブログに来たのか。普段、アクセス数が極めて少ないブログなだけに、私自身、ちよつと驚きだつた。

 このブログは現時点で、どこのサイトからもリンクされてゐない。だからグーグルのページランクは極めて低い。だから、もし「ムペンバ効果」でググつたとしても、このブログが検索結果に出ることはないはずなのだ。それなのになぜ…。

 答へは、FC2ブログにあつた。
 このブログは現在、FC2ブログのサービスを利用してゐる。ムペンバ効果に関する記事を書いたとき、私は「ムペンバ効果」といふキーワードをタグ付けしてゐた。そのタグを紹介してゐるFC2ブログのページがグーグルの検索結果の上位に表示されるのだ。そしてそこからリンクを辿つてこのブログに人が訪れてゐる。
 つまり、私のブログがすごいのではなくて、FC2ブログがすごいのだ。

 これは、これからブログを始めようかと考へてゐる人、どこのブログサービスを選ばうか迷つてゐる人、なるべくアクセスがたくさん集まりやすいブログサービスを選びたいと考へてゐる人にとつて、少し参考になる話ではないだらうか。
 FC2ブログはSEO的に強い。その“強いブログサービス”にタグ付けしておけば、それがもしニッチなキーワードであれば、例へ自分のブログが貧弱なブログであつたとしても、そこそこの人が訪れてくれる。

 それにしても、私にとつて「ムペンバ効果」といふ言葉は、本来の意味から外れて、「ブログのアクセスアップを齎す効果」といふ意味の言葉に変はつてしまつた。
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「ムペンバ効果」とネットへの過信

 本日放送のNHKテレビ「ためしてガッテン」で、ちよつと驚くべき現象が紹介されてゐた。

 同じ条件の下で、普通の水と熱いお湯を同時に冷やした場合、お湯の方が早く凍る、と言ふのだ。

 これを「ムペンバ効果」と言ひ、40年以上前から知られてゐる現象らしい。名前の由来はタンザニアの高校生ムペンバ君が発見したから。しかし理由は未だに科学的にきちんと説明できないらしい。

 私はこの番組を見てムペンバ効果といふものに興味を持ち、もつと詳しく知りたいと思ひ、早速、ネットで調べてみた。

 が、ヤフーで「ムペンバ効果」を検索してもたつたの5件、グーグルで検索してもたつたの10件しかヒットしなかつた。(2008年7月9日現在)。
 先日、50万項目を突破したネット上の巨大百科事典ウィキペディア日本語版にも、「ムペンバ効果」に関する項目はなかつた。
 (たゞし、"mpemba effect"でググると8960件ヒットし、Wikipedia英語版には"Mpemba effect"といふ項目がある。)

 (2008/7/10追記)今日見たら、ウィキペディア日本語版にも「ムペンバ効果」といふ項目が追加されてゐました。早速、英語版から翻訳されたやうです。


 どうやら私はネットを過信してゐたやうだ。
 テレビ、新聞、本、雑誌、広告などでちよつと見た情報は、あとでググれば詳細情報がわかる。もしわからなかつたら、それはググり方が下手だからだ。
 さう思ひ込んでる人は、世の中結構、多いのではないだらうか。かうした過信は、私たち現代人の新たな行動パターンを引き起こす。

 例へば、テレビである事柄が紹介されてゐる。電車内の広告である事柄が紹介されてゐる。そこでは、きちんとその事柄に関する説明もなされてゐるのだが、私たちはその説明を聞いたり読んだりしないで、その事柄に関するキーワードだけを探してゐる。キーワードとは、あとでネットで検索して調べるときに、どんなワードで調べたらいいかを考へてゐるのだ。

 私も、先日、ある会社に行かなければいけないことになつた。その時、先方の会社から電話を受けて、「当方の会社の場所がわかりますか?」と聞かれた。「わかりません」と答へると、相手は最寄り駅からの道順を詳しく説明してくれたが、その時相手の言葉は私の耳に入つてゐなかつた。私は、あとでその会社のホームページを見れば行き方はわかるだらうと高を括つてゐたのだ。だが、あとでその会社のホームページを見たら、詳しいアクセスマップは載つてをらず、その会社に辿り着くのに相当迷つてしまひ、私は電話での説明をちやんと聞いてゐなかつたことを後悔した。

 「詳しいことはあとでネットで」といふ悪い癖が染み付いてしまつてゐる。
 企業など発信する側が「詳しくはWebで」といふのはまだよい。だが、受身側がこの癖を身に付けてしまふのは困りものだ。ネットの世界にくらべてリアルの世界を疎かにしてしまふ。いや、疎かにするだけではなく、いつか見下してしまふかもしれない。ネット上にあるのが真実の情報でリアル社会にあるのは仮の情報だ、といふ錯覚に陥るかもしれない。

 検索でヒットしなかつたからといつて、それがこの世に存在しないといふわけではない。例へば、ムペンバ効果は、たまたま日本では知られてゐなかつたといふだけだらう。

 「ムペンバ効果」はいろいろなことを教へてくれた。熱いお湯より水の方が早く凍るだらう、といふ先入観を覆してくれたし、ネットで調べれば詳しいことがわかるだらう、といふ思ひ込みも覆してくれた。

 リアルの世界に存在してネットの世界に存在しないものなどいくらでもある。くれぐれもネットを過信しないことだ、自戒を込めてさう思ふ。