暫定龍吟録

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移ろいゆく人たち

 昔から、毎月、世論調査による内閣支持率がTVや新聞などで発表されるが、あの数値が大きく上下する意味がよくわからない。内閣支持率はなぜ上下するのか?
 「先々月は支持だったけど、先月は不支持で、今月はまた支持」などといふ人が少なからずゐるのだらう。
 支持や不支持が途中で変はるのが信じられない。

 政治家の支援団体といふのがあるが、その政治家が何か不祥事を起こすと、真っ先に批判の急先鋒に回るのは大抵その人たちだといふのを何度も見てきた。支援者が最大の批判者になる。もし政治家だったら「応援してくれなくていいから批判しないでくれ」と思ふ。

 最近、ネット上で、携帯キャリアのauに対して「auはカス」などといふ悪口をたびたび目にした。大勢の人がauの悪口を言ってゐたのだが、気になったのは、それが皆auの利用者、もしくは元利用者ばかりだといふことだった。
 auは、数年前は携帯の主要3キャリアのうち、契約純増数No.1であり、顧客満足度もNo.1だった。若者にもっとも人気のあるキャリアであり、若者ならケータイはauにしなきゃ、みたいな雰囲気があった。
 しかし、去年2009年あたりからソフトバンクがiPhoneをヒットさせ、今年2010年に入ってからはドコモがXperiaをヒットさせ、auはスマートフォン市場で少し出遅れた感が出た。すると途端に今までauを愛用してゐた利用者たちの一部がauのことを悪く言ひ始めたのだ。

 おそろしいことだ。auが絶大な人気を誇ってゐたころはauに飛びつき、人気が他のキャリアに移ると途端に「auがあまりにも糞だからソフトバンクに乗り換へた」みたいなことを平気で言ふ人が、私は怖い。

 かういふ人は本当の支持者ではないのだ。たゞいつも、勝ち組に乗っかってゐたいだけの人なのだ。

 支持率が低下したとき、本当に苦境に立ったときに応援して側に寄り添ってゐてくれる人、助けてくれる人こそ、本当の支持者だ。

 さういふ意味で、本当の支持者を見つけなければいけない。
 自分が勝ってるとき、調子がいいときに周りに寄ってきてるのは、いはゆる「勝ち馬に乗る」といふ者たちだ。そんな一時的な憑依と変遷を繰り返す者たちに惑はされないやうにしたい。


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新しもの好きは老成

 「新しもの好き」は、「老成」なのだといふこと。
 最近、頓に思ふ。

 これは考へ方の問題なのだが、時代の最先端を走つてゐるやうな若者は、往々にして「老人グループ」に分類されることがある、といふことだ。

 2、3ヶ月前に、ある雑誌でTwitter特集をやつてゐて、その中の「人気ついったらー特集」みたいなコーナーに高校生が登場してゐるのが目を引いた。その男子高校生はたくさんのフォロワーがゐる人気ついったらーのやうで、iPhoneを片手にビシッとポーズを決めてゐる写真も載つてゐた。
 私がこの高校生に特に目を引いたのは、「高校生がTwitter?」「高校生がiPhone?」と感じたからだつた。

 Twitterの主な利用者は20代後半から30代~40代の人たちであつて、若者はあまり利用しない、といふ話を聞いたことがある。例へば、次のやうな記事。

Insight for WebAnalytics: 米若者はTwitterしない、制限のない他のSNSで十分

 上記記事では、2009年6月現在、米国のTwitter利用者の内、24歳以下の若者は16%しかゐないことが指摘されてゐる。
 私の中のイメージでは、「Twitter=大人のおもちや、若者は使はない」だ。

 また、TwitterとiPhoneが相性がいいことは知つてゐるが、そのiPhoneにしても、iPhoneユーザーの中心は30代、40代のビジネスマンであり、次のやうな記事にある通り、

大学生のiPhoneユーザが少ない4つのワケ【大学生×iPhone第1弾】 | MAG! 学生を応援するフリーマガジン

若者はiPhoneは使はない、といふイメージがある。上記記事では、その理由を「今の大学生はケータイ世代だから」と分析してゐる。(※iPhoneは「ケータイ」ではない)

 だから高校生みたいな若い人がiPhoneを使つてTwitterをしてゐるといふのは、ちよつと意外なイメージなのだ。
 この高校生はiPhoneを駆使してTwitterを使ひこなしてゐるのが自分としては時代の最先端を行つてるつもりなのだらうが、同世代の人たちは誰も使つてゐない。つまりこの高校生は30代、40代のをぢさんたちの仲間に入つて生きてゐるのだ。

 例へば、私の世代なら生まれて初めて買つた音楽はCDである。同世代の人に質問すれば皆さう答へる。だが同世代でも幼いときからませてゐた子なら、幼稚園のときにレコードを買つたことがあるかもしれない。「生まれて初めて買つた音楽がCDではなくてレコード」といふ回答は私よりいくらか上の世代の回答と一緒である。

 よく1月から3月生まれの人が「得してる気分だ」と言ふのを聞く。例へば19歳のときに、同学年の人が次々に20歳の誕生日を迎へるのに自分はいつまでも10代でゐられる、つまり同学年の人と比べて少しだけ遅く歳をとつて若くゐられるのが「得してる気分」といふわけだ。
 だがこれも考へ方の問題で、1月から3月生まれの人がなぜ「遅生まれ」ではなく「早生まれ」と言はれるかを考へなければならない。学年で括るから若くゐるやうに思ふかもしれないが、年で括ればやはり早生まれの人は早く歳をとつてゐるのである。
 例へば平成元年生まれの人の場合を考へてみよう。4月から12月に生まれた人は、学年としても「平成元年組」に属することになるが、平成元年の1月から3月に生まれた人は、同じ平成元年生まれであるにもかゝはらず学年としては一個上の「昭和63年組」に組み込まれることになる。平成生まれなのにずつと「昭和組」と呼ばれるのである。つまり、「早生まれ」は「得してる」のではなく、考へやうによつては一つ上の古い世代に括られてしまふといふ意味で「損してる」とも言へるのである。

 新しもの好きの人や時代の最先端を行つてるつもりの若者は、見方によつては「老成」である。さう考へることができる。
 上の世代の老人たちと仲良くやつていくつもりなら、もちろんそれでいいのだけれど。

文化庁メディア芸術祭が面白い



 六本木の国立新美術館で「第13回文化庁メディア芸術祭」が開かれてゐる。

 「先端技術ショーケース'10」や「第15回学生CGコンテスト受賞作品展」なども同時開催されており、全体として、現代の先端テクノロジーを使つたアートフェスティバルといつた印象が強い。展示会場はそれほど広くなく、30分もあれば充分に全体を観て回れる。たゞし、上映されてゐるアニメーション作品などを観た場合はもつと時間がかゝる。
 会場は、さながら、美大の卒業制作展のやうでもあり、ゲームあり、ウェブあり、携帯マンガあり、体感、体験できる作品がたくさん展示されてゐる。
 このやうなメディア芸術の祭典は世界中にあるやうだが、日本では東京にしかないとのこと。

 作品は、テンターテインメント部門、アート部門、マンガ部門、アニメーション部門、の4つに分かれており、それぞれの部門で世界中から選りすぐられた約170点の傑作が並んでゐる。

 エンターテインメント部門の大賞作品は、昨年ネット上で大きな反響を呼んだ「日々の音色」。




 また、マンガ部門では『ヴィンランド・サガ』が、

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 アニメーション部門では、昨年、特にTwitter-erの間などでも評判の高かつた『サマーウォーズ』がそれぞれ大賞を受賞してゐる。

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神木隆之介桜庭 ななみ

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 また、今回の展覧会は、メディアアートの祭典だけあつて、TwitterやiPhone/iPod touchとの聯繋も試みられてゐる。
文化庁メディア芸術プラザ(MAP)ブログ 文化庁メディア芸術祭の最新情報やメディア芸術関連ニュース: メディア芸術祭公式iPhoneアプリ『JMAF navi』、本日よりApp Storeにて無料ダウンロードがスタート。
 iPhoneアプリ『JMAF navi』を使へば、その場で作品の解説を読んだり上映スケジュールの確認ができるだけでなく、作品の感想をTwitterを通してつぶやくこともできる。そのつぶやきをするための「twitter広場」といふ空間も設けてある。


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 ↑決して広いとは言へない「twitter広場」。


 会場には若い人の姿が目立つ。高齢者の姿が少ない珍しい展覧会と言へるだらう。

 入場無料。iPhone/iPod touchを持つてる方、Twitterアカウントを持つてる方、東京在住の方、メディアアートに興味のある方は、足を運んでみてはいかゞだらうか。

第13回文化庁メディアアート芸術祭
会期:2010.2.3-2.14
会場:国立新美術館(六本木)




"iPhone"はなぜアイフォーンと読むのか

 先週の金曜日に日本で「iPhone 3G」が発売され話題になつた。それから1週間が経つた。

 発売初日の7月11日には、私もたまたま新宿でソフトバンクショップの前を午後2時頃に通つたので中を覘いてみたが、誰もゐなかつた。「当店では、iPhone 3Gは完売しました」との貼り紙があるだけだつた。

 すごい人気なのだらう。ソフトバンク表参道では長蛇の列ができてゐるのもテレビで取り上げられてゐた。

 ところでこのiPhone、ネットのあちらこちらで、「iPhone(アイフォーン)」と書いてあるのをよく見かける。どうやら日本での名称は「アイフォーン」と決まつてゐるやうだ。
 だが私は、これが日本で発売される前、まだ米国にしかなかつた頃、「iPhone」といふ綴りを見て、心の中で「アイフォン」と読んでゐた。それでちよつと戸惑つた。

 似たやうな戸惑ひを以前、「Ajax」の時も感じたことがある。
 「Ajax」は昔からある言葉ではない。ご存知の通り、Asynchronous JavaScript + XMLの略で、近年つくられた造語である。私は、この「Ajax」といふ言葉に初めて出会つた時、これを心の中で「アジャックス」と読んでゐた。造語だから正しい読み方なんて無いと思ふのだが、しかしその後、日本でもAjaxが普及するにつれ、「エイジャックス」といふ呼び名が一般的になつてきたので、私もいつしかその呼び名を使ふやうになつた。

 iPhoneの場合も同じで、いつしかアイフォーンといふ呼び名に慣れていくのだらうか。しかしそれにしても、iPhoneはアイフォンと読むのがなんだか自然な感じがする。どうしてアイフォーンなんだらう、とずつと疑問を抱いてゐたので調べてみた。

 どうやら、日本ではインターホンの大手会社であるアイホン(英字綴りはAiphone)といふ会社があり、そこから「社名と紛らはしい」といふクレームがついた。それで、アイホン社とアップル社とが協議し、日本国内ではiPhoneのカタカナ表記は「アイフォーン」とする、といふことに決まつたさうな。(参照:Wikipedia)

 「アイホン」と「アイフォン」では違ふと思ふが、まあとにかくさういふ決まりになつた。でも、「アイフォーン」とするのは表記のときだけ?といふことは、声に出して読むときは「アイフォン」でもいいの?

 結局、皆がよんでる読み方に私も靡くだらう。

 皆さんは、何てよんでますか。