地球温暖化問題と七夕
今日は、雨の七夕。
中国の伝説では、織女星と牽牛星が天の川を渡つて一年に一度の逢瀬を楽しむ日である。しかし、それも雨が降つてしまふと叶はない。だから、今日降る雨のことを「催涙雨(さいるいう=なみだをもよほす雨)と言ふのださうだ。
今日はまた、洞爺湖サミット開催に合はせた「クール・アース・デー」でもある。
地球温暖化問題は、今回のサミットの主要なテーマでもある。
昨日の新聞で、イギリスの専門家が、「京都方式は失敗」、「削減目標の設定ではなく、エネルギーの効率化を促す対策に転換すべきだ」と語つてゐた。
いかにもイギリス人らしい考へ方だ。何かを節制したり我慢したりするのではなく、積極的な技術革新などによつて、温暖化問題を解決していかうといふ考へ方だ。
英米人は、さういふ考へ方の人が多いかもしれない。だが、それは、環境問題の本質を解つてゐないと言ふべきだ。環境問題とは、人間(人類)の今までの奢侈を改めよう、といふのが重要な主旨である。
この主旨が解つてゐさうなのは、EU、の中でも特にドイツは解つてゐるだらう。日本にもこの主旨が解つてゐる人はたくさんゐる。
地球温暖化問題に関する世界の主要国の態度は3つに分かれる。
1つは、今言つたドイツや日本のやうに温室効果ガスなど、贅沢や奢侈を“削減”していかう、といふ態度。
1つは、英米のやうに“削減”、“我慢”よりも、“技術革新”で解決していかう、といふ態度。
そしてもう1つは、中国やインドのやうに温暖化問題そのものに関心を持つてゐない態度。
この3つのグループをまとめるのは至難の業だ。もし日本にもう少しリーダーシップの力があれば、ドイツやEUと協力して、「日独流」を世界標準にしていくことができるのだが。
ともかく、温暖化問題の諸悪の根源とも言ふべき、アメリカと中国を俎上に載せなければ話にならない。
せつかく、この時期に日本に集まるのだから、各国の首脳に七夕の伝説を教へ、天の川を見るためにはライトダウンが必要であることを教へてやつてはどうだらうか。
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中国の伝説では、織女星と牽牛星が天の川を渡つて一年に一度の逢瀬を楽しむ日である。しかし、それも雨が降つてしまふと叶はない。だから、今日降る雨のことを「催涙雨(さいるいう=なみだをもよほす雨)と言ふのださうだ。
今日はまた、洞爺湖サミット開催に合はせた「クール・アース・デー」でもある。
地球温暖化問題は、今回のサミットの主要なテーマでもある。
昨日の新聞で、イギリスの専門家が、「京都方式は失敗」、「削減目標の設定ではなく、エネルギーの効率化を促す対策に転換すべきだ」と語つてゐた。
いかにもイギリス人らしい考へ方だ。何かを節制したり我慢したりするのではなく、積極的な技術革新などによつて、温暖化問題を解決していかうといふ考へ方だ。
英米人は、さういふ考へ方の人が多いかもしれない。だが、それは、環境問題の本質を解つてゐないと言ふべきだ。環境問題とは、人間(人類)の今までの奢侈を改めよう、といふのが重要な主旨である。
この主旨が解つてゐさうなのは、EU、の中でも特にドイツは解つてゐるだらう。日本にもこの主旨が解つてゐる人はたくさんゐる。
地球温暖化問題に関する世界の主要国の態度は3つに分かれる。
1つは、今言つたドイツや日本のやうに温室効果ガスなど、贅沢や奢侈を“削減”していかう、といふ態度。
1つは、英米のやうに“削減”、“我慢”よりも、“技術革新”で解決していかう、といふ態度。
そしてもう1つは、中国やインドのやうに温暖化問題そのものに関心を持つてゐない態度。
この3つのグループをまとめるのは至難の業だ。もし日本にもう少しリーダーシップの力があれば、ドイツやEUと協力して、「日独流」を世界標準にしていくことができるのだが。
ともかく、温暖化問題の諸悪の根源とも言ふべき、アメリカと中国を俎上に載せなければ話にならない。
せつかく、この時期に日本に集まるのだから、各国の首脳に七夕の伝説を教へ、天の川を見るためにはライトダウンが必要であることを教へてやつてはどうだらうか。
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Tag : 七夕
羽生十九世名人誕生に思う
先日、将棋の名人戦で、羽生善治さんが森内俊之名人を破り、名人位に返り咲いた。と同時に、十九世名人の称号を手に入れた。「十九世名人」を名乗るのは引退後のことだが、こゝでは仮に「羽生十九世名人」と呼んでおかう。
羽生さんは、すでに、王将、棋王、王座、王位、棋聖の永世位も持つてをり、7大タイトルの内、永世位を持つてゐないのは、あと竜王だけになつた。史上初の「永世七冠」も現実味を帯びてきた。
「史上最強」の呼び声が高い。今までの羽生さんの数々の実績を見れば、さういふ声が出るのも当然だらう。
江戸時代の初代大橋宗桂から始まつて、羽生さんまで計19人の永世名人がゐるわけだが、その中で誰が一番強いのだらう。
将棋界では、一般的に江戸時代から平成の現代に至るまで、棋士は段々強くなつてゐると言はれる。これは当たり前のやうに感じるかもしれないが、囲碁の世界では当たり前ではない。囲碁界では、江戸時代の棋士が現代の棋士より強いといふことがあり得る。
江戸時代は、将棋の名人はずつと家元制度であり、実力制の名人戦が始まつたのは、昭和10年になつてからのことだ。
実力制になつてからの永世名人は次の通り。
十四世 木村義雄
十五世 大山康晴
十六世 中原誠
十七世 谷川浩司
十八世 森内俊之
十九世 羽生善治
この間に「永世」ではない名人も何人かゐる。例へば、大山十五世と激しい闘ひを繰り広げた升田幸三九段。彼こそ史上最強の棋士だと言ふ人もゐるだらう。升田九段には今でも多くのファンがゐる。羽生さんの好きな棋士でもある。
私は、実績から考へて、史上最強の棋士は、大山十五世か、羽生十九世ではないかと思ふ。だが、時代と全盛期が違ふので、この両者を単純に比較することはできない。相撲界で史上最強の横綱を決められないのと同じだ。
プロ棋士の間でも、若手の棋士の間では「羽生さんが一番強い」と言ふ人が多いらしいが、年配の棋士の人たちは「大山さんの方が強い」と言ふ人もゐる。これは世代の差だらう。
野球でも、史上最高の野球選手は誰かと聞かれれば、今なら多くの人が「イチローだ」と答へるだらうが、王・長嶋の全盛期を知つてる世代の人からすれば、「長嶋さんのすごさを知らないからそんなこと言ふんだ」となる。
かういふ歴史に名が残るほど強い棋士たちには、共通するものがある。それは、特徴的な「棋風」を持つてゐない、といふことだ。大山十五世は「○○流」とは呼ばれなかつた。中原十六世は「自然流」と呼ばれたが、自然流とは要するにその棋風に特徴がないので名づけやうがないといふことだ。羽生十九世もオールラウンドプレーヤーで、どんな戦型も指す。これといつて特徴的な棋風はない。
かうした捉へどころのない柔軟さこそ、本当の強さの秘訣なのかもしれない。
羽生さんは、「将棋はマラソンのやうなもので走り続けることが大事」といふ趣旨のことを言つてゐた。
同時代に生きる人間としては、羽生さんにはこのまゝ突つ走つてもらつて、後世の人が到底及ばないやうな大記録を作つてほしい、といふ気もする。
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羽生さんは、すでに、王将、棋王、王座、王位、棋聖の永世位も持つてをり、7大タイトルの内、永世位を持つてゐないのは、あと竜王だけになつた。史上初の「永世七冠」も現実味を帯びてきた。
「史上最強」の呼び声が高い。今までの羽生さんの数々の実績を見れば、さういふ声が出るのも当然だらう。
江戸時代の初代大橋宗桂から始まつて、羽生さんまで計19人の永世名人がゐるわけだが、その中で誰が一番強いのだらう。
将棋界では、一般的に江戸時代から平成の現代に至るまで、棋士は段々強くなつてゐると言はれる。これは当たり前のやうに感じるかもしれないが、囲碁の世界では当たり前ではない。囲碁界では、江戸時代の棋士が現代の棋士より強いといふことがあり得る。
江戸時代は、将棋の名人はずつと家元制度であり、実力制の名人戦が始まつたのは、昭和10年になつてからのことだ。
実力制になつてからの永世名人は次の通り。
十四世 木村義雄
十五世 大山康晴
十六世 中原誠
十七世 谷川浩司
十八世 森内俊之
十九世 羽生善治
この間に「永世」ではない名人も何人かゐる。例へば、大山十五世と激しい闘ひを繰り広げた升田幸三九段。彼こそ史上最強の棋士だと言ふ人もゐるだらう。升田九段には今でも多くのファンがゐる。羽生さんの好きな棋士でもある。
私は、実績から考へて、史上最強の棋士は、大山十五世か、羽生十九世ではないかと思ふ。だが、時代と全盛期が違ふので、この両者を単純に比較することはできない。相撲界で史上最強の横綱を決められないのと同じだ。
プロ棋士の間でも、若手の棋士の間では「羽生さんが一番強い」と言ふ人が多いらしいが、年配の棋士の人たちは「大山さんの方が強い」と言ふ人もゐる。これは世代の差だらう。
野球でも、史上最高の野球選手は誰かと聞かれれば、今なら多くの人が「イチローだ」と答へるだらうが、王・長嶋の全盛期を知つてる世代の人からすれば、「長嶋さんのすごさを知らないからそんなこと言ふんだ」となる。
かういふ歴史に名が残るほど強い棋士たちには、共通するものがある。それは、特徴的な「棋風」を持つてゐない、といふことだ。大山十五世は「○○流」とは呼ばれなかつた。中原十六世は「自然流」と呼ばれたが、自然流とは要するにその棋風に特徴がないので名づけやうがないといふことだ。羽生十九世もオールラウンドプレーヤーで、どんな戦型も指す。これといつて特徴的な棋風はない。
かうした捉へどころのない柔軟さこそ、本当の強さの秘訣なのかもしれない。
羽生さんは、「将棋はマラソンのやうなもので走り続けることが大事」といふ趣旨のことを言つてゐた。
同時代に生きる人間としては、羽生さんにはこのまゝ突つ走つてもらつて、後世の人が到底及ばないやうな大記録を作つてほしい、といふ気もする。
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ミズノとスピードの知られざる皮肉な関係
6月9日の記事でスピード社の水着のことについて書いた。
日本の競泳選手が国内のメーカーの水着を着なければいけないのか、英国スピード社の水着を着てもよいのか、その判断が注目されてゐたが、一昨日6月10日に、日本水泳連盟が、日本の選手は自由に水着を選んでよい、といふ決定を出した。
こゝまでの経緯は、皆さん、新聞やニュースなどでご存知だと思ふ。
だが、この話にはちよつと皮肉な続きの話があるのだ。
ミズノは、国内大手水着メーカーとして、今まで選手たちを金銭面を含めあらゆる形で援助してきたわけだが、今回の件で、突然、五輪で自社の水着を着てもらへなくなる可能性が出てきた。今回のスピード社の件では、一番打撃を受けた会社だらう。
ところが、このミズノ、実は、スピード社とは1965年から長年にわたり、日本における「SPEEDO」ブランドの製造・販売のライセンス契約を結んでゐたのだ。
ずーつと、長年契約を結んでゐたのに、2006年にミズノが創業100周年を迎へたのを機に「自社ブランドによる世界戦略を強化する」といふ方針に切り替へ、2007年5月末をもつて契約を終了したのだつた。
そしたら、40年以上もの長い契約期間が終はつた途端に、スピード社が新水着を開発、世界記録を連発、といふ今回の事態となつてしまつた。
さらに、新たにスピード社と契約を結び「SPEEDO」ブランドの日本窓口となつてゐるゴールドウイン社の株が最近、上がつてゐるといふ話まである。
なんたる皮肉。ミズノの社員は、このあまりに皮肉な話に皆、臍を噛む気持ちなのではなからうか。
つまり、ミズノは、今までさんざん敵のブランド戦略を手助けしてきた上に、今回のやうにそのブランドが俄然、世界中の注目を浴びるやうになつたら、今度はそのブランド名を名乗ることさへできないのだ。それどころか、今まで営々と育ててきた「SPEEDO」ブランドは、北京五輪といふ晴れの舞台において、「ミズノ」ブランドの前に強力なライバルとして立ちふさがることになつてしまつた。
まさに「飼ひ犬に手を噛まれる」気持ちだらうか。
結果が大きくモノを言ふ世界だからしかたないのかもしれないが、皮肉と言へば皮肉な話である。
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日本の競泳選手が国内のメーカーの水着を着なければいけないのか、英国スピード社の水着を着てもよいのか、その判断が注目されてゐたが、一昨日6月10日に、日本水泳連盟が、日本の選手は自由に水着を選んでよい、といふ決定を出した。
こゝまでの経緯は、皆さん、新聞やニュースなどでご存知だと思ふ。
だが、この話にはちよつと皮肉な続きの話があるのだ。
ミズノは、国内大手水着メーカーとして、今まで選手たちを金銭面を含めあらゆる形で援助してきたわけだが、今回の件で、突然、五輪で自社の水着を着てもらへなくなる可能性が出てきた。今回のスピード社の件では、一番打撃を受けた会社だらう。
ところが、このミズノ、実は、スピード社とは1965年から長年にわたり、日本における「SPEEDO」ブランドの製造・販売のライセンス契約を結んでゐたのだ。
ずーつと、長年契約を結んでゐたのに、2006年にミズノが創業100周年を迎へたのを機に「自社ブランドによる世界戦略を強化する」といふ方針に切り替へ、2007年5月末をもつて契約を終了したのだつた。
そしたら、40年以上もの長い契約期間が終はつた途端に、スピード社が新水着を開発、世界記録を連発、といふ今回の事態となつてしまつた。
さらに、新たにスピード社と契約を結び「SPEEDO」ブランドの日本窓口となつてゐるゴールドウイン社の株が最近、上がつてゐるといふ話まである。
なんたる皮肉。ミズノの社員は、このあまりに皮肉な話に皆、臍を噛む気持ちなのではなからうか。
つまり、ミズノは、今までさんざん敵のブランド戦略を手助けしてきた上に、今回のやうにそのブランドが俄然、世界中の注目を浴びるやうになつたら、今度はそのブランド名を名乗ることさへできないのだ。それどころか、今まで営々と育ててきた「SPEEDO」ブランドは、北京五輪といふ晴れの舞台において、「ミズノ」ブランドの前に強力なライバルとして立ちふさがることになつてしまつた。
まさに「飼ひ犬に手を噛まれる」気持ちだらうか。
結果が大きくモノを言ふ世界だからしかたないのかもしれないが、皮肉と言へば皮肉な話である。
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スピード社水着で新記録続出のもう2つの理由
水泳界において、英国スピード(SPEEDO)社の新水着「レーザー・レーサー(LR)」を着た選手が次々と世界記録を更新して話題となつてゐる。
日本でも、6月のジャパンオープンでスピード社の水着を着た選手たちが15個の日本新記録を出し話題となつた。平泳ぎの北島康介選手はこの水着を着て世界新記録まで出した。
こゝまで好記録が続出したことで、日本水泳陣が今度の北京五輪で、はたしてスピード社の水着を着てもよいのか、それとも契約してゐる国内の水着メーカー(ミズノ・アシックス・デサント)の水着を着なければいけないのか、といふ問題が浮上してゐる。
ところで、なぜ、こゝまで新記録が続出したのだらうか。
もちろん、スピード社が開発したこのLRといふ新水着の性能がすばらしい、といふのが一番の理由だと思ふ。聞くところによれば、LRは、
・超音波でつなぎ合はせてゐるので縫ひ目がない
・強い締め付けで水の抵抗を小さくする
・水をよくはじく
といつた、特徴があるといふ。
たしかに、このすぐれた性能こそ、新記録続出の最大の理由であらう。
だが私は、今回のジャパンオープンで、日本人選手が新記録を続出させた理由は、あと二つぐらゐあるのではないかと思つてゐる。
その二つの理由とは、
1.プラシーボ効果
一つ目は、プラシーボ効果である。プラシーボ効果とは、何の生理作用もない偽の薬を「これはよく効く薬だ」といつて医者から渡された患者が、その薬を飲んで本当に病気が良くなつてしまふといふもの。つまり、実際の性能以上に自己暗示が強く作用する場合だ。
今回の大会でも、スピード社の水着を着た日本人選手たちに、ある程度、この種の暗示があつたと思はれる。泳ぐ前からすでに、世界記録が続出してゐる「魔法の水着」といふ触れ込みつきだ。これを着たら速く泳げさうな気がする、といふ気持ちが選手の泳ぎに前向きに作用したと考へられる。
2.研究室効果
二つ目の理由は、研究室効果だ。「研究室効果」といふ言葉はなくて、これは私が勝手に名付けたものだ。
ノーベル賞、特に自然科学系のノーベル賞は、不思議なことに米国の大学の研究室からばかり出る。これはなぜなのか、以前、考へたことがある。
あるノーベル賞科学者が、「米国の大学にゐると、同じ研究室の先輩や同僚がノーベル賞を受賞してゐるし、あるいは同じ大学内から多数のノーベル賞が出てゐるので、自分がノーベル賞を取つてもをかしくないんぢやないか、といふ気がしてくる」と語つてゐるのを聞いたことがある。
つまり、日本の大学にゐる研究者は、自分がノーベル賞を取れるわけがないと思つて研究してゐるが、米国の大学の研究者は初めから自分がノーベル賞を取れるかもしれないと思つて研究に取り組んでゐる。自然とノーベル賞の方に研究内容も寄り添つて行くのだらう。
これを私は研究室効果と呼んでゐる。
これと同じことが今回の大会でも起きたと私は思つてゐる。
周りの皆が好記録を連発してゐると、「それが普通」といふ空気が生まれるのだと思ふ。さうした空気に「釣られて」記録を出すといふことがあると思ふ。
新記録続出の背景に、この二つの理由があつたであらうと私は考へてゐる。
ともかく、何効果であれ、良い方に作用するならそれは良いわけで、日本人選手がこのまゝの良い状態で五輪で活躍してくれるなら、それは喜ばしいことだ。
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日本でも、6月のジャパンオープンでスピード社の水着を着た選手たちが15個の日本新記録を出し話題となつた。平泳ぎの北島康介選手はこの水着を着て世界新記録まで出した。
こゝまで好記録が続出したことで、日本水泳陣が今度の北京五輪で、はたしてスピード社の水着を着てもよいのか、それとも契約してゐる国内の水着メーカー(ミズノ・アシックス・デサント)の水着を着なければいけないのか、といふ問題が浮上してゐる。
ところで、なぜ、こゝまで新記録が続出したのだらうか。
もちろん、スピード社が開発したこのLRといふ新水着の性能がすばらしい、といふのが一番の理由だと思ふ。聞くところによれば、LRは、
・超音波でつなぎ合はせてゐるので縫ひ目がない
・強い締め付けで水の抵抗を小さくする
・水をよくはじく
といつた、特徴があるといふ。
たしかに、このすぐれた性能こそ、新記録続出の最大の理由であらう。
だが私は、今回のジャパンオープンで、日本人選手が新記録を続出させた理由は、あと二つぐらゐあるのではないかと思つてゐる。
その二つの理由とは、
1.プラシーボ効果
一つ目は、プラシーボ効果である。プラシーボ効果とは、何の生理作用もない偽の薬を「これはよく効く薬だ」といつて医者から渡された患者が、その薬を飲んで本当に病気が良くなつてしまふといふもの。つまり、実際の性能以上に自己暗示が強く作用する場合だ。
今回の大会でも、スピード社の水着を着た日本人選手たちに、ある程度、この種の暗示があつたと思はれる。泳ぐ前からすでに、世界記録が続出してゐる「魔法の水着」といふ触れ込みつきだ。これを着たら速く泳げさうな気がする、といふ気持ちが選手の泳ぎに前向きに作用したと考へられる。
2.研究室効果
二つ目の理由は、研究室効果だ。「研究室効果」といふ言葉はなくて、これは私が勝手に名付けたものだ。
ノーベル賞、特に自然科学系のノーベル賞は、不思議なことに米国の大学の研究室からばかり出る。これはなぜなのか、以前、考へたことがある。
あるノーベル賞科学者が、「米国の大学にゐると、同じ研究室の先輩や同僚がノーベル賞を受賞してゐるし、あるいは同じ大学内から多数のノーベル賞が出てゐるので、自分がノーベル賞を取つてもをかしくないんぢやないか、といふ気がしてくる」と語つてゐるのを聞いたことがある。
つまり、日本の大学にゐる研究者は、自分がノーベル賞を取れるわけがないと思つて研究してゐるが、米国の大学の研究者は初めから自分がノーベル賞を取れるかもしれないと思つて研究に取り組んでゐる。自然とノーベル賞の方に研究内容も寄り添つて行くのだらう。
これを私は研究室効果と呼んでゐる。
これと同じことが今回の大会でも起きたと私は思つてゐる。
女子背泳ぎで日本新記録を出した中村礼子選手の言葉だ。みんながぽんぽんと日本記録を出すのを見て「私も絶対に出そう」と思つた。
周りの皆が好記録を連発してゐると、「それが普通」といふ空気が生まれるのだと思ふ。さうした空気に「釣られて」記録を出すといふことがあると思ふ。
新記録続出の背景に、この二つの理由があつたであらうと私は考へてゐる。
ともかく、何効果であれ、良い方に作用するならそれは良いわけで、日本人選手がこのまゝの良い状態で五輪で活躍してくれるなら、それは喜ばしいことだ。
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秋葉原通り魔事件に想う
6月8日日曜日の昼、寝てゐたら、午後0時半過ぎからワラワラと飛んできたヘリコプターの騒音で眠りから覚まされた。
1時ごろになると、もうかなりのヘリが集まつて来た。目視で確認したところ、警視庁と思はれるヘリが1機、マスコミと思はれるヘリが3機。その後時間を追ふにつれて、ますますヘリの数は増えた。
これらのヘリは、もちろん0時半ごろに秋葉原で起きた、通り魔事件に伴ふものだ。
ニュースが伝へるところによれば、男がトラックに乗って、歩行者天国で歩いてゐた通行人を次々と撥ね、そのあと、車から降り、ナイフで次々と人を刺した。駆けつけた警察官も刺されたらしい。今のところ、けが人14人、うち5人が心配停止と伝へられてゐる。
被害に遭はれた方は、本当にお気の毒である。私も秋葉原はよく通るので、他人事とは思へない。
それにしても、よりによつて日曜日の昼間といふ、秋葉原がおそらくもつとも混雑してゐるであらう時間帯になぜ犯行が行はれたのか。犯人はわざとさういふ時間帯を狙つたのだらうか。場所も、まさに秋葉原電気街のど真ん中といふべきところだ。
秋葉原に観光に来てゐたたくさんの外国人も、今日のやうな事件を目の当たりにして、あらためて東京は怖いところだ、と感じたに違ひない。
それにしても思ふのは、なぜいつもウチの近くでこのやうな事件が起きるのか。ウチの近所では、年がら年中、やれ火事だ、強盗事件だ、発砲事件だ、殺人事件だといふのが絶えない。そのたびに多数のヘリが出動して大騒ぎになり、私は眠りから起こされる。
東京の都心といふ、人が多い地域に住んでるから、事件や事故が起こる確率が高いのはいたしかたのないことなのであらうか。
それにしても、「頼むから静かにしてくれ」といふのは、私の切なる願ひだ。
かうして、この記事を書いてる今も、まだヘリが飛び回つてゐる。今回は犯人がすぐに捕まつたからよかつたやうなものの、これが犯人が捕まつてゐなかつたら、さらに長時間ヘリが旋回してゐることだらう。
二度とこのやうな惨劇が起こらないことを願ふ。誰だつて、静かな暮らしを邪魔されたくはないのだ。
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1時ごろになると、もうかなりのヘリが集まつて来た。目視で確認したところ、警視庁と思はれるヘリが1機、マスコミと思はれるヘリが3機。その後時間を追ふにつれて、ますますヘリの数は増えた。
これらのヘリは、もちろん0時半ごろに秋葉原で起きた、通り魔事件に伴ふものだ。
ニュースが伝へるところによれば、男がトラックに乗って、歩行者天国で歩いてゐた通行人を次々と撥ね、そのあと、車から降り、ナイフで次々と人を刺した。駆けつけた警察官も刺されたらしい。今のところ、けが人14人、うち5人が心配停止と伝へられてゐる。
被害に遭はれた方は、本当にお気の毒である。私も秋葉原はよく通るので、他人事とは思へない。
それにしても、よりによつて日曜日の昼間といふ、秋葉原がおそらくもつとも混雑してゐるであらう時間帯になぜ犯行が行はれたのか。犯人はわざとさういふ時間帯を狙つたのだらうか。場所も、まさに秋葉原電気街のど真ん中といふべきところだ。
秋葉原に観光に来てゐたたくさんの外国人も、今日のやうな事件を目の当たりにして、あらためて東京は怖いところだ、と感じたに違ひない。
それにしても思ふのは、なぜいつもウチの近くでこのやうな事件が起きるのか。ウチの近所では、年がら年中、やれ火事だ、強盗事件だ、発砲事件だ、殺人事件だといふのが絶えない。そのたびに多数のヘリが出動して大騒ぎになり、私は眠りから起こされる。
東京の都心といふ、人が多い地域に住んでるから、事件や事故が起こる確率が高いのはいたしかたのないことなのであらうか。
それにしても、「頼むから静かにしてくれ」といふのは、私の切なる願ひだ。
かうして、この記事を書いてる今も、まだヘリが飛び回つてゐる。今回は犯人がすぐに捕まつたからよかつたやうなものの、これが犯人が捕まつてゐなかつたら、さらに長時間ヘリが旋回してゐることだらう。
二度とこのやうな惨劇が起こらないことを願ふ。誰だつて、静かな暮らしを邪魔されたくはないのだ。
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Tag : 秋葉原


