暫定龍吟録

反便利、反インターネット的 This blog has not been updated since 2017

2009年06月の記事

現実は変えられる!『地球データマップ』

 ちよつと前の本になるが、『NHK地球データマップ』といふ本がある。この本がすごい。
 図や写真を多用してゐて読みやすくコンパクトにまとめてある。中学生でも簡単に読めるやうになつてゐる。

地球データマップ
(↑写真クリックで拡大)

 私は滅多に他人に本を薦めたりしないが、この本はオススメである。

 目次のタイトルを見るだけでも興味深い。

 「わたしのケータイは遠くの世界の戦争とつながっている?」
 「環境が汚れれば汚れるほど僕らの暮らしは便利になってきた!」
 「僕らがスナック菓子を食べるとスマトラゾウが絶滅する?」

等々。他にもこの本では、失業・格差社会、クルマ社会、食糧不足、貧困、など数多くの現代の世界の問題を取り上げてゐる。

 なぜケータイが戦争とつながつてゐるのか、スナック菓子とスマトラゾウの間にどんな関係があるのか、それは本書を読んでいたゞくとして、大事なことは自分の行動の一挙手一投足が常に世界に影響を与へるといふことを自覚することだ。
 が、逆に言へば、それは自分の行動が、この世界の現実を変へられるといふことを意味する。

 「現実を知らうよ」と言ふ人がゐる。
 私はこんな言ひ方は嫌ひだ。
 なぜあなたは現実を盲目的に是認し、その中で要領よく生きていかうとするか。
 この世界の現実は人間が人間の手で作り出したものだ。それは「自然」ではない。世界は如何やうにも変へることができる。
 もし「世界を変へる」なんてことが大袈裟で無理さうに聞こえるなら、本書で紹介されてゐるガンジーの次のやうな言葉ならどうだらう。

あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである。


 自分一人くらゐがクルマに乗るのをやめたところで急に地球の空気がきれいになつたり、温暖化がストップしたりするわけではない。が、「それでもしなくてはならない」のである。
 「できない」と初めから思ひ込んでゐるからできないのであつて、皆がその気になれば、できないことはないはずである。
 まづは本書を読んで、今の世界にどんな問題があるのかを把握する。現代社会の主要な問題が簡潔に列挙されてゐる。それから、行動だ。場合によつては「行動しない」ことが行動であることもある。

 最後に、本書で紹介されてゐるウェブサイトをいくつか紹介しておかう。

 ・無買日
 ・エコロジカル・フットプリント・ジャパン
 ・六ヶ所村ラプソディー
 ・フードマイレージ・キャンペーン
 ・エコビレッジ・ジャパン

スポンサーサイト

人身事故の影響で自分の乗ってる電車が止まったら

 学生時代はずつと地下鉄通学だつたが、電車が止まるなんてことはほとんどなかつた。
 今、JRに乗るやうになつてから、頻繁に電車が止まるのを経験してゐる。
 理由は、車内アナウンスによれば、

 「信号が赤のため」
 「前の電車との間隔が詰まつてゐるため」
 「車両点検のため」
 「○○駅において緊急停止ボタンが押されたため」

等々だが、それと並んで時々あるのが、「人身事故により」といふものだ。
 人身事故が発生した場所が、自分が今ゐるところよりずつと先の場所だつたとしても、その影響は後続のすべての電車に及び、すべての電車が一旦ストップする。

 なぜだかわからないが、地下鉄では人身事故は滅多にないのにJRではたびたび遭遇する。「人身事故」と言ふけれど、その実態は大体「飛び込み自殺」である。
 そして、その人身事故の影響で自分の乗つた電車がストップするたびに、私はいつしかかう思つてゐた。

 「なんで線路に飛び込むんだ。迷惑な奴だ」
 「しかも朝の皆が忙いでる時間帯に。人々の迷惑も考へないで」

 さう思つてイラついてゐた。

 だが・・・、

 人一人の命が亡くなつたのだ。
 「人身事故」とのアナウンスを聞いても私たちは「あー、また人身事故か」と、うんざり気味にしか聞いてゐないけれども、そのとき一人の人間が懊悩と絶望の末に自らの命を絶つたのだ。
 絶望の淵にある人間に「他人への迷惑を考へよ」と言ふのは無理な話だ。そこまで追ひ詰められてゐる人間には、そんなことを考へる心的余裕はない。

 人身事故の影響で自分の乗つてる電車が止まつたら、ほんの少しの間でもいいから黙祷して、命を絶つた人のことを想つて祈りを捧げるべきなのだ。

 現代人は忙しすぎて、そんなことさへできなくなつてしまつてゐる。