暫定龍吟録

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2016年05月の記事

携帯電話「2年縛り是正」とは何だったのか

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(この記事は2016年の記事です。情報が旧くなっている可能性があります)

 総務省の要請により、大手携帯電話各社が、いわゆる「2年縛り」を是正するかも、というニュースを昨年から聞いていた。

 しかし今年2016年の春に携帯大手三社から発表された新プランは、ずいぶん期待外れのものだった。違約金(契約解除料)のないプランを新設するかわりに月々の支払い料金を高くする、という、多くの利用者にとってはほとんど何のメリットもないプランだった。

 私は、総務省が「2年縛りの是正を要請」というニュースを聞いたときに、「ああ、これで2年縛りがなくなるんだな」と思っていたが、そうではなかった。今年に入ってから携帯各社が発表したのは「2年を過ぎた場合の違約金の廃止」である。これでは2年縛りが無くなったということにはならない。なぜならば、「2年縛り」はもう一つあるからである。


もう一つの“2年縛り”

 「2年縛り」には、2年目のタイミングで解約しないと違約金を取られる、という縛りとは別の「もう一つの2年縛り」がある。

 それは24カ月にわたる割引き制度である。ドコモでは「月々サポート」と呼ばれ、auでは「毎月割」と呼ばれ、ソフトバンクでは「月々割」と呼ばれているもの。2年間にわたって端末代を割引く(と少なくとも多くの利用者が思っている)仕組みである。

 これにより、2年の途中で携帯会社を変えたり、機種変更をしたりすると、割引きが受けられなくなるので利用者は損をする。つまり、違約金の方の制度が見直されたとしても、こちらの「もう一つの2年縛り」があるかぎり、利用者は結局、2年の縛りからは逃れることができない。

 総務省はこのことを見落としていたのだろうか。


総務省の考え方

 総務省の有識者会議は「有識者」の集まりだけあって、もちろん、この「もう一つの2年縛り」のことも承知している。が、この月々割に関しては「利用者にわかりやすくすること」と言う程度に留めている。この程度の勧告なら、「ホームページの文言をちょっと変えて利用者にわかりやすいようにしておきました」とするだけで充分である。

 総務省が、こちらの「もう一つの2年縛り」に大きく踏み込まないのは、二つの「2年縛り」を比べたときに、「違約金を取る」、「契約更新月が一カ月しかない」、「契約自動更新」などといった決まりの方が、より「悪質」だと判断したためだろう。


もう一つの2年縛りがなくならないかぎり

 巷間では、携帯各社が発表した新プランを見て「結局高い」などと言っている声を多く聞くが、抑も、この「もう一つの2年縛り」がなくならないかぎり、結局私たち利用者は相変わらず2年縛りの軛の中なのだ。
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