暫定龍吟録

反便利、反インターネット的 This blog has not been updated since 2017

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

箱根駅伝「山上り偏重」は見直すべきかも

 1月2日、3日に今年も箱根駅伝が行われ、東洋大学の2連覇で幕を閉じた。
 箱根駅伝の5区は2006年に2.5キロ距離が伸びて、山上りでたゞでさへきつい区間なのに最長区間となつたことでさらにレース全体における重要度が格段に増した。5区を制する大学が大会を制すると言つても過言ではないほどになつた。
 これを受けて、ヤフーで「箱根駅伝「山上り偏重」を感じる?」といふアンケートが行はれ、私が見た時点で、実に5万人以上もの人が投票してゐる大アンケートになつてゐる。



 私が見た時点では、「偏重を感じない」が約7割、「偏重を感じる」が約3割で、「偏重を感じない」といふ人のはうが多くなつてゐる。
 「偏重を感じない」といふ人のコメント欄を読むと、「東洋は柏原君ひとりの力で勝つたわけではない。みんなの力で優勝を勝ち取つたのだ。条件はどの大学もみな同じ。東洋が優勝した後で、区間距離変更のルール改正議論が持上がつてくるのはをかしい。早稲田など有力校の関係者の陰謀を感じる」といつた類のコメントが多い。
 たしかに今回早稲田が優勝してゐれば、山上り偏重見直し論などは起こらなかつただらう。東洋のやうなマイナーで地味な学校が2年連続で優勝してしまつたから慌てて山上り偏重論が出てきたのだ。これでは世間の人々の口から「有力校関係者陰謀論」が出てくるのもしかたない、といつたところだらう。

 だが、ちよつと待つてほしい。よく考へてもらひたい。東洋は柏原君が卒業した後はどうなるのだらうか。
 東洋はずつと昔から箱根路を走つてゐる常連校だが、その長い歴史上、今までほとんどスーパールーキーとか大エースと呼ばれるやうなスター選手は一人も出てこなかつた。柏原君は東洋大学史上初めて入つて来たスーパールーキーだつたのだ。その逆が早稲田で、早稲田は長い箱根の歴史上、実に何人ものスター選手を輩出してきた。毎年スター選手に事欠かないと言つてもいいほどだ。
 今の学生スポーツ界では、当然のことながら高校時代の優秀な選手はいろいろな大学からスカウトの声がかゝる。もし、今回出場の20大学から「ぜひうちに来ないか」と声をかけられたら、優秀なその高校生はどこの大学を選ぶであらうか。知名度の低いマイナーな大学よりも早稲田のやうなネームバリューとブランド力のある大学に行きたがるのではないか。特に早稲田や東海などはスポーツで優秀な高校生を優先的に入学させるシステムを整へてゐる。かうして早稲田のやうな大学には実力のあるスター選手が毎年のやうに集まる。地味でブランド力のない大学には集まらない。

 つまり、今の「5区偏重」の区間割りは、実は早稲田のやうなスター選手を抱へやすい大学にとつてこそ有利なシステムなのだ。
 さういふ意味で、私は「山上り偏重を感じる」と答へる。高校駅伝などと違つて、全区間の距離が均一であるところが箱根駅伝の魅力だと思つてゐる。それにはスター選手がゐない大学にも総合力で勝つてほしいといふ願ひがこもつてゐる。

 東洋と似た校風の大学がある。専修大学だ。箱根に66回も出場してゐる伝統校であり常連校だ。だが、はつきり言つて過去に目立つたことはほとんどない。優勝もずつと昔に一回だけしかしたことがない。校風が地味でブランド力がないからスター選手が入学してこない。おかげでテレビでも取り上げられない。テレビで映らないからますます存在感が薄くなる。それでも、66回も出場できてゐるのは地力がある証拠だらう。
 かういふ、派手さもなくて目立たないけれども、地力と総合力がある、そんな大学にもつと活躍してもらひたい。スター選手を擁する派手な大学だけが活躍する駅伝はつまらない。

 そんな思ひからも、やはり現行の山上り偏重の区間割りは見直したはうがよいのではないかと思ふ、のだが。
 (ちなみに個人的には柏原君の活躍には喝采を送つてゐる。また、早稲田を特に目の敵のやうに思つてゐるわけでもない)