暫定龍吟録

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「Hulu」はYouTubeのライバルとなりうるか

 以前から話が出てゐた、米国NBC UniversalとNews Corpの合弁事業である「Hulu.com」が、3月12日にオンライン動画配信サービスを正式に開始したやうだ。

 Hulu.comにコンテンツを提供してゐるのは、Time Warner、Lions Gate Entertainment、NBA、NHLなど20社以上のコンテンツ企業だ。
 
 NBCとニューズは、YouTubeに対抗するつもりでこのサイトを作つたらしい。全米のすべてのインターネットユーザーが見るとも言はれるHuluだが、はたしてYouTubeの強力なライバルになりうるのか。

 Huluの問題点の一つは、まづ、そのサービスが米国に限定されてゐるところにある。YouTubeが世界的規模でサービスを展開してゐるのと対照的だ。数多くの映画やNBA、NHLの試合が見放題、といふ点を強調してゐるやうだが、そもそもNBA(バスケットボール)やNHL(ホッケー)などは大体米国人しか興味がなくそれ以外の国の人にとつて魅力的なコンテンツだとは思へない。
 それでも最近では、映画やテレビ番組に関しては米国のものでも日本で流行してゐるものが結構ある。さういふ映画やテレビが"フル"で配信されるのならば、日本人でも「見たい」と思ふ人はそこそこゐるかもしれない。
 だが、現時点では日本国内からはこれらのコンテンツを見ることはできない。現在、日本からHulu.com内のコンテンツにアクセスすると、

Unfortunately this video is not currently available in your country or region. We apologize for the inconvenience.


(あなたの国では利用できません)
と表示される。

 全米では大きなセンセーションを巻き起こしてゐるかもしれないHuluだが、これでは残念ながら米国内の内輪の盛り上がりに終はりさうだ。

 そしてもう一つ注意しなければいけないこと。それは同じ動画サイトでもHuluはYouTubeとはその性格をまつたく異にしてゐるといふことだ。YouTubeは動画コンテンツを"共有"するサイトだ。それに対し、Huluは動画コンテンツを"供給"するサイトだ。日本で例へれば「GyaO」のやうなものか。YouTubeほど「Web2.0」的性格もない。だからYouTubeとは、「対抗する」といふよりも棲み分けて「共存する」といふ形になるのではないか。

 といろいろ批判したが、Huluが米国人のテレビ視聴スタイルを今後大きく変へるであらうメガサイトであることに変はりはない。
 で、日本への影響はどうなのか、といふことについて考へたい。
 今後、Huluがそのサービスをアジア地域へ拡大して、日本人もHuluを"フル"に楽しむことになるのか。それとも日本独自でHuluに似たサービスを提供する企業が現れるのか。その時、コンテンツ企業である日本のテレビ局や映画会社やJリーグなどのスポーツ協会はどう動くのか。

 "Hulu対YouTube"の問題は将来に向けて多くの問題をはらんでゐる。それは"個人対マスコミ"の問題でもあるし、"(従来の)テレビ対インターネット"の問題でもある。

 これらの問題がこの先どういふ方向に向かふのか。日本は米国の動向を見守つてから動き出しても遅くはなささうだ。


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