暫定龍吟録

反便利、反インターネット的 This blog has not been updated since 2017

盲点的サイズ考

 私は物を大切にする方である。
 次々に新しい物が出るたびに買ったりするライフスタイルは好きではないので、一つの物を長く使ってゐる。
 だから私の家の中にある物は、けっこう「初代」の物が多い。

 靴をもう10年ちかく履いてゐて、かなりボロくなっても頑張って履いてゐたのだが、先日つひに壊れて分解してしまった。それでしかたなく10年ぶりに新しく靴を買はうと思ったのだが、どこの靴屋に行っても、自分の足に合ったサイズのものが無い。
 思ひ出した。10年前に靴を買ひに行ったときも、やはりサイズが無いといふ問題に悩まされたのだった。まさか10年後に再び同じ問題に悩まされるとは。

 男性用の靴は私には皆、大きすぎる。女性用の靴は皆、小さすぎる。靴屋はいったいこの問題をどう考へてゐるのだらうか。
 靴のサイズには、明らかに、男性サイズと女性サイズの間に盲点的なサイズが存在する。この盲点的なサイズの靴は東京中のどこの靴屋を探し回っても売ってない。念のためにキッズコーナーの靴も見てみたが、これはやはり小さすぎた。

 同じ問題がズボンにも存在する。
 人間の体は、よく言はれる3サイズのうち、バストサイズとヒップサイズは、男と女でサイズが近い。これは男の方がガタイが大きいけれども、女はバストとヒップが膨らんでゐるため、結果として同じぐらゐになるのである。だが、ウエストサイズだけは、男と女は全然違ふ。女はガタイが小さいうへに、いはゆる「くびれ」があるので男より全然細くなる。(さうでない人もゐるが)。
 私はジーンズを買ひに行くと、メンズコーナーの一番小さいサイズでもブカブカである。それでしかたなく一度、レディースコーナーに行って一番大きいサイズのジーンズを試着してみたのだが、きつくて入らなかった。

 これは何と言ふか、もう許しがたい事態である。
 よくテレビで太ったタレントが、「サイズが無い」と言ってゐるのを聞くが、あれはまあ自分の体が大きすぎるのだからしかたがない。しかし私の体は言はば「日本人の平均」である。その「中間サイズ」な私がなぜサイズが無いと頭を悩まさなければいけないのか。
 だいたい、大きい人は、「大きいサイズ専用の店」なども存在するし外国のものを取り寄せれば事足りるので、それほど事態は深刻ではないだらう。私みたいなサイズの人間は外国のものにも頼ることができず、問題はずっと深刻である。

 全国の靴屋や服屋に言ひたい。男性の一番小さいサイズと女性の一番大きいサイズの中間に存在する盲点的なサイズのものも作ってほしい。と言ふか、さういふ盲点的サイズがあることをもっと多くの人に知ってほしい。

 メンズにも嫌はれレディースにも嫌はれた私は、今日もボロボロのジーンズとボロ靴を履いて出かける。

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