暫定龍吟録

反便利、反インターネット的 This blog has not been updated since 2016

「買い溜め」と小さな制御

 地震から10日が経った。
 
 今日、コンビニに行ってみたら、弁当、おにぎり、サンドイッチの類は復活している。食パン、菓子パンも種類は少ないが復活している。相変わらず、品切れ状態が続いているのは、カップ麺、レトルト食品、米、牛乳などだ。
 薬局では、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、電池類、紙おむつ、生理用品、そして洗濯用洗剤までが品切れだった。

・買い溜めとは何か

 こうした品不足が起こるのは、物流が滞っていたり、それらを東北の被災地に優先的に送っていたりすることもあるが、それと同時に「買い溜め」や「買い占め」と呼ばれた行為がたくさん行われたからという理由もあるだろう。

 3日ほど前に、石原都知事が「節電条例」を検討した、というニュースがあって話題になった。
 条例の中身は、〈1〉午後10時以降にネオンを消す〈2〉自動販売機も夜間は消灯〈3〉コンビニエンスストアは午後10時以降閉める、といったものだ。これに対し、電気は溜められないのだから意味が無い、という反発の声がネット上でたくさん上がっていた。真夜中に節電しても、電力需要のピークに節電しなければ意味が無いということだ。

 買い溜めと品切れ、もこれと同じようなことだと思う。
 例えば、スーパーやコンビニなどで一週間分の買い物をしている人がいたとして、「私は自分の家の生活に必要な分を一週間分、先に買っているだけだ。これから一週間は私は買い物をしないのだから同じことだ」と言っている人がいたとしたら、やはりそれは「買い溜め」なのだ。多くの人が同じように考えて買い物のピークがある一瞬に集中してしまうことから品切れが起きる。たとえ「買い占め」るつもりはなくて自分の分だけ考えて買っていたとしても、「明日の分まで」とかいつもより少しでも余分に買った時点で、それは「買い溜め」なのである。「買い溜めは良くない」と考えているのなら、「どうせ明日もスーパーに来るんだから今日買っておこう」ではなくて、「明日の分は明日買おう」としなければいけない。
 ただし、車がなければ買い物にも行けない、というような地域では少し事情が異なるだろうと思う。

・小さな制御

 そんな中、地震から3日後の3月14日に近くの薬局に行ったら、早くも店員さんが「トイレットペーパーは一人一個までです」と厳しく規制していたのが感心したことは2011年3月14日の記事にも書いた。
 今日、近くのセブンイレブンに行ったら、大カゴが完全に撤去されていて、小カゴしか置いてなかった。以前から、大カゴと小カゴがの二種類のカゴがあるのは知っていたが、地震から10日経った今日、大カゴが店内から無くなった。

 これらの店側の工夫、ルールというのは、必ず守らせることに意味があるのではない。「トイレットペーパー1個まで」と言ったところで、2時間後にまた何食わぬ顔をしてやって来て列に並ぶ客もいるかもしれないし、家族4人総出で時間差で買いに来るかもしれない。でも、それでもいいのだ。時間帯のピークが少しでもずれるなら効果がある。少カゴしか置いてなくても、図々しい人はその小カゴを両手に二つ持って買い物をするかもしれない。でも、全体的に緩やかに制御できればそれはそれなりに効果を表すだろう。これを完璧なまでに厳しくしてしまうとまた客側とトラブルになる。

 これだけの大災害なので品薄状態はまだまだ続くだろう。いくつかの店を回ってみたが、こうした工夫をしている店としていない店がある。非常時にはもっと多くの店がこうした「小さな制御」を工夫することを考えてみることも必要だろうと思う。