暫定龍吟録

反便利、反インターネット的 This blog has not been updated since 2017

IT力の高い北陸人、IT力の低い九州人

 去年、ジャストシステム社がネット上でATOK全国一斉日本語テストを実施してゐた。このテストでは、受験者は受験する際に住んでる都道府県を記入することになつてゐたので、都道府県別の受験者数がわかるやうになつてゐた。
 それで、どこの県がもつとも受験者が多いか気になつたので調べてみた。もちろん、人口が多い県ほど受験者数が多いのは当たり前。なので、まづ、47都道府県を人口の多い順に並べ、それからその隣に日本語テストの受験者数が多い県順に並べて、両者の順位の変動を比較してみた。

 人口順位との比較で見た場合、日本語テスト受験者数が多かつた都道府県ベスト10は以下の通り。

1.徳島県
2.山梨県
3.福井県
4.香川県
5.滋賀県
6.石川県
7.奈良県
7.富山県
7.鳥取県
10.三重県

 1位が徳島県なのは、おそらくこゝが、このテストを主催したジャストシステムのふるさとだからだらう。北陸の3県がすべて入つてゐるのが際立つてゐる。
 逆にワースト10は以下の通り。

1.福島県
2.山口県
2.鹿児島県
4.沖縄県
5.宮崎県
6.群馬県
7.長崎県
8.栃木県
8.青森県・秋田県・山形県
8.佐賀県

 東北地方や九州地方が少ない感じだ。

日本語テスト受験者数

 
 Map of Japanで地図にしてみた。かうして見ると、北陸~近畿~山陰にかけてと四国に受験者が多さうだ。首都圏が多さうに見えないのは、私の今回の分析手法に問題がある。この地域は元々人口が多く順位が高いために、いくら受験者数が多くても順位が上がらないのだ。

 さて、この結果は一体何を意味するのだらうか。北陸には日本語に興味がある人が多くて、九州には日本語に興味がある人が少ない?いや、さうではあるまい。このATOKの日本語テストはネット上で実施された。これに参加するためには日ごろからインターネットに親しんでゐることが必要になつてくるだらうし、そもそもかういふテストが実施されてゐることを知るためにはネット上の情報収集などに敏感でなければならない。つまり、この結果はそれぞれの都道府県民のIT力の高さを表してゐるのではないか。
 九州の各県は軒並み少ない。九州はインターネット普及率が低いから、といふ理由が考へられさうだが、しかし、同じくインターネット普及率が低い北陸はこんなにも受験者数が多かつた。
 やゝ性急にすぎる感もあるが、この地図を見て私が出した結論は、「北陸人はIT力が高く、九州人はIT力が低い」である。こゝで言ふIT力とは、普段からインターネットを使ひこなしてゐるかどうか、といつた程度の意味である。

 ところが驚くべきことにこの私の分析結果と非常に似通つた分析結果を弾き出した人がゐた。LSTY氏が3月22日付のブログ記事で、Amazonユーザの都道府県別分布について調べたのだ。

 他人の不幸は蜜の味: Amazonユーザの都道府県別分布

 リンク先の日本地図をよくご覧になつてほしい。そしてこのページの地図と見比べてほしい。私は今回、この地図を作るにあたつてLSTY氏の作成した地図とわざと同じ色を使つたので、比較しやすいはずだ。
 LSTY氏が調べたのは、Amazonといふネット書店の利用者がどの都道府県に多いのか、といふことを人口構成比とのポイント差で調べたものだ。その分析結果と私の分析結果との間に驚くほどの共通点があるのがおわかりいたゞけるだらう。
 LSTY氏はAmazon利用者の都道府県別分布を地図にまとめあげた上で、「全体的には九州が弱い感じ」、「北陸~近畿~山陰と関東・四国は比較的利用者が多そうだ」と分析してゐる。この感想が、上記の私が作つた地図にもそのまゝ当てはまる。

 このAmazonユーザの分析結果に対しては、「田舎の人は読書意欲がないんだ」などとする意見を寄せる人もゐたが、さうではないのではなからうか。やはり、Amazonを利用して書籍を購入するといふのは、これは一つのIT力を示してゐるのではなからうか。

 LSTY氏は記事の最後に「やっぱり北陸は強い」と感想を述べてゐるが、ATOK日本語テストの受験者数を調べた私も「北陸は強い」と感じた。
 AmazonとATOK日本語テストの共通点は何だらうか。「言語や文字に対する興味」だらうか。それもあるかもしれないが、やはり「インターネットを手段にしてゐる」といふことではないだらうか。
 二つの分析結果がこれだけ似た傾向を示してゐるのだから、次のやうに言つても良ささうだ。
 「北陸人はIT力が高い。もしくは、日常的にインターネットを駆使した生活を送つてゐる。逆に、九州人はIT力が低い。家にインターネット環境があるかどうかは別にして、日常的な生活の中でインターネットを使つてゐる人が少ない」と。


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