暫定龍吟録

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桜雨

 東京は、夕方から雨がしとしとと降つてゐる。
 今日降るやうな雨を、

「桜雨(さくらあめ)」

といふ。桜の花の咲くころに降る雨のことだ。
 昔から「春に三日の晴れなし」と言つて、この季節は晴天が長続きせず、晴れたり雨降つたりの日々を繰り返す。
 日本では古来よりいろいろな表現で雨が喩えられてきた。「~雨」といふやうに語末に「雨」が付く形の言葉は、『大辞林』には実に187語も載つてゐる。日本では187もの雨が降るのだ。

 「桜雨」は英語で何といふのだらうか。"cherry blossoms rain"?こんな言ひ方で英国人は理解できるだらうか。英語に詳しい人がゐたら教へてほしい。

 ずつと待ち遠しく楽しみにしてゐた桜の花も、咲いたと思つたらこのやうな雨や風であつといふ間に散つてしまふ。せめて桜の咲いてゐる短い間だけは、雨も降らず風も吹かないでほしい、と思ふのは私だけであらうか。でも、4月に入つたある日に、強い風が吹いて、桜の花が桜吹雪となつて潔く散つていく姿に美を感じる人もゐる。それはそれでたしかに風情なのである。


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