暫定龍吟録

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上野聚楽台が閉店

 上野駅の駅前に百貨店がある。

 えつ、上野に松坂屋以外に百貨店があるの?と驚かれる方もゐるかもしれない。
 上野駅の不忍改札を出てすぐ右手にある老朽化した2階建ての建物がそれだ。「上野百貨店」と書いてある。だが、どう見ても百貨店には見えない。私は、いつもこの建物の前を通るたびに「どこが百貨店なんだよ」と心の中で突つ込みを入れてゐる。

 この建物は横に長く、2階には囲碁センターがあつたり、レストランがあつたりするのだが、そのレストランの名は「聚楽台」といふ。で、この聚楽台が間もなく閉店するらしい。閉店する前に一度は入つておかう、と思ひ、先日通りかゝつたときに、中に入つた。

 「50年間のご愛顧ありがたうございました」と書いてあつたから、相当歴史の古いレストランだ。
 中に入つてみると、だゞつ広い。たゞでさへ広いのに、店内に仕切りらしいものがほとんどないから見渡しがよく、さらに広く感じる。まあ、無駄に広い。4人、8人といつた大勢で行つても、ちやんと座れるやうになつてゐる。
 店内にはシャンデリアがあつたり赤絨毯が敷かれてゐたりする一方で、メニューにはラーメンや定食があつたりして、「高級」路線を目指してゐるのか「大衆」路線を目指してゐるのかよくわからない店だ。そんなところがいかにも下町らしい。
 店の雰囲気は「昭和前期」だ。昔はおそらくこんな店がおしやれだつたのだらう。そんなレトロな雰囲気がぷんぷん漂ふ店だ。
 上野だけにメニューに「西郷丼」といふのがあるのも面白い。

 だが、こんな雰囲気のある、そして上野のサラリーマンやOLたちに長いこと食事処として重宝されてきたであらう、このレストランももう閉店するといふ。
 上野の街もこれから、秋葉原同様、少しづつ再開発されていくのかもしれない。街はきれいになつてほしいと思ふ反面、変はらないでほしいと思ふ部分もある。

 上野「聚楽台」。4月21日までださうなので、上野の近くにお住まひの方は、今週末あたりに行つておいてみては。


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