暫定龍吟録

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ややこしい「梅雨入り」と「入梅」

 今日、私の住んでる東京では、気象庁から梅雨入りが発表された。毎年、気象庁から発表されるこの梅雨入りは「当たらない」といふイメージがあるのだが、さて今年はどうだらう。
 北海道には梅雨はない。だが、大多数の日本人は、これから1ヵ月以上、梅雨の鬱陶しさと戦ふことになる。

 「梅雨(つゆ)」とは何か。
 『広辞苑』によれば、

【梅雨・黴雨】
六月(陰暦では五月)頃降りつづく長雨。また、その雨期。さみだれ。ばいう。


とある。
 
 Wikipediaでは、もう少し詳しく語源も紹介してゐて、

梅雨の語源としては、この時期は湿度が高く黴(カビ)が生えやすいことから「黴雨(ばいう)」と呼ばれ、これが同じ音の「梅雨」に転じたという説や、この時期は梅の実が熟す頃であることからという説、この時期は“毎”日のように雨が降るから「梅」という字が当てられたという説がある。


とある。

 で、この梅雨の時季が始まることを「梅雨入り」と言ふのだが、これと似た言葉で「入梅(にふばい)」といふ言葉がある。この二つの言葉は元来、同じ意味の言葉である。「梅雨入り」をたゞ漢語的に表現したものが「入梅」である。

 だが、今ではこの二つの言葉は違つた意味を持つやうになつてゐる。
 それは、日本の気象庁が「梅雨入り」といふ言葉を“梅雨のシーズンに入つた日”を限定して使ふやうになつたからだ。
 一方の「入梅」は、暦の上で太陽の黄経が80度に達したときのことを言ふ。実際に“梅雨のシーズン”に入つたかどうかとは関係ない暦日なのだ。それは、太陽暦の6月10日頃にあたる。

 といふわけで、今年のやうに梅雨入りが早かつた年は、「梅雨入り」の日と「入梅」の日とのあひだに、開きが生じる。

 だからと言つて、何か問題があるわけではない。空梅雨(からつゆ)の年もあるが、大体毎年、「梅雨入り」は6月10日からさう遠くない日に発表されてゐる。

 そこまで細かい言葉の違ひを気にする人は誰もゐないと思ふ。